2009年6月9日

本質は何

「アニメの殿堂」と言われれば軽薄な感じがするけれど、「サブカルチャーセンター」と言えば少しは高尚に聞こえるかも。まぁ、完全にメディアに踊らされているという感じがする、こういう話。この「国立メディア芸術総合センター」、別に今回急に出てきた話じゃないわけですよね。「マンガ・アニメ」というサブカルチャー自体を否定するならまだ理解も出来るものの、単に「マンガ・アニメ」というだけで拒否反応を示しているだけのような気もしますね。

例えば、今の時代浮世絵と言えば多分誰もが認める日本の芸術ですけど、あれだって登場した頃は今のマンガと似たようなものだったのでは? 当時の評価がどうであったかは分からないし、今以上に紙であるとかああいった印刷物や手書きの物が貴重な時代であったから、単純に現代のマンガ・アニメとは比較できないとは思うけれど、それでも日本人にはその価値があまり認識されず(というか、日常的な物という認識だったというべきか)、海外でその価値が認められて保存されてきたから今も我々は浮世絵の価値を感じることが出来ると言うことがあると思うんですよね。マンガ・アニメが100年後に今の浮世絵と同じくらいの価値を生むかどうかは分からないけれど、少なくともこれだけ世界中で評価されて日本のソフトパワーとして認識されているのであれば、それ相応の対策は講じるべきでは。

勿論、117億円という費用が適切であるのか、そのセンターの活動目的が十分であるのか、天下りも含めて運用体制は趣旨に沿った物なのか、そういった確認は十分にすべきだと思います。クリエイターの低収入が問題になっているなら、このセンターが何かファンドみたいな物を創設して制作後押しするとか、そう言ったことも含めた「アニメの殿堂」になれば良いと思うんですけどね。昨日だったか、日本のというか世界最大のコミックマーケット(コミケ)を始めた故米沢嘉博氏が所蔵していた膨大なマンガ資料等を、母校の明治大学に寄贈して「米沢嘉博記念図書館」が開設されるというニュースを見ましたが、少なくとも大学が記念図書館として保存しようとする位の価値があるわけです。評価せずに、たんに勢いだけで「アニメの殿堂、国立マンガ喫茶」とこき下ろした某党首には、是非友愛の灯をアニメ・マンガにもかざして欲しいものです。だって、弱者の味方ですよね?

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