2008年3月6日

リージョナルな争い

三菱重工が進めていた、YS-11に続く国産ジェット機の開発計画(MRJ)に、トヨタが100億円程度の出資を検討しているというニュース。業績好調で、ボーナスは満額回答、ベースアップも1000円台という超優良企業のトヨタにあっては、100億円くらいの投資は痛くもないんだろうけど、MRJ側にしてみれば予定した開発費1500億円が一応これで埋まり、さらにトヨタというグローバルなビッグネームも付いたので、ビジネス的には非常に美味しい展開になったでしょうね。ライバルメーカーのホンダも、ビジネスジェットの事業化を勧めているし、陸の次は空での主導権争いという思惑なんだろうか。

ただ、飛行機好きとしてみれば、やはり国産のジェット旅客機というのは心ときめくし、来年開港予定の富士山静岡空港が生き残るためにも、こういったリージョナルジェットで新幹線網を補完するような交通網が出来て欲しいと願っているので、このニュースは嬉しいですよね。日本は、南北に長いと言われつつも、結局は新幹線は東京-名古屋-大阪だし、飛行機だって、札幌(千歳)-東京(羽田)-大阪(関空/伊丹)-福岡という幹線だけで、そこから外れた地域に行こうと思うと中々大変。浜松とか静岡だって、一度名古屋か東京に出ないと、それ以外の都市移動って結構不便。USでSOUTHWESTが成功したような、Point-to-Pointで結んで行くというビジネスモデルは、日本全体に当てはまると思うんですけどね。

その為には、100名程度で効率よく乗客を運べて、しかも燃費の良い小型・中型機が必須。MRJにしても、単に機体を売るだけじゃなくて、機体整備や運行サポートなんかも含めてトータルパッケージで売り込めばどうだろう。JR各社にしても、自分のリージョン(テリトリー)から遠くに移動する顧客に対しては、こういうリージョナルジェットの会社と組んでみるとか。静岡からみると、東京とか大阪とか東西への移動は新幹線があるから楽ですけど、南北の移動は中央アルプスとかあるから、ぐるっと東京方面とか、名古屋・大阪方面から回り込まないといけない。一日に一便とかだと例え飛行機で一時間で移動出来ても不便だけれど、小型機で日に何便かあるということになれば、利便性はかなり違いますからね。まだまだ、バスとか電車ほど手軽さは無いけれど、以前比べたらずっと使いやすくなった飛行機での移動。日本でも、これから日常化するんじゃないだろうか。

まぁ、遠くに出かけるにはまず新幹線で、という静岡県民に刷り込まれた意識をどうやって変えるのかが最初で最大の難問ですけどね。

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