2008年1月31日

冷凍餃子

昨日突然降って沸いたようにメディアに登場して、今朝もニュースで何度も伝えられている、中国産冷凍餃子の事件。残留農薬が原因と考えるには疑問が残るほど激しい症状とか、国内大手メーカー数社が契約しているそれなりに信頼出来ると思われる現地メーカーで製造した物なのにとか、これまでの残留農薬とか製造・産地偽装とは少しレベルが違う事件と感じさせるのがちょっと不安です。

食料品では無いものの、自分も中国を始め多くの国の人たちと関わって仕事をしているし、製造物の多くは中国の工場で製造しているので、例えば品質管理であるとか現地とのやりとりの難しさはある程度知っているつもりですが、一つ言える事は「相手任せにすると問題が生まれる」という事。相手を信用しない、という意味ではなく「自分の仕事・範疇ではない」という意識が何となく生まれてきてしまうんですよね、こういうスタイルのビジネスをしていると。別の言い方をすると「指定した商品を買ってきて売る」みたいな感じでしょうか。商品のブラックボックス化、とも言えると思います。

多分、今後現地での品質管理工程の強化とか、輸入元である日本のメーカーや関係団体による検査管理強化とかいう形で対策が取られていくんだろうと思うんですが、国内で販売している日本メーカーが「これは自分たちが作っている商品なんだ」という意識を今以上に持つことが一番重要だと思います。食料自給率の低さが云々されているけれど、日本の国土やコストを考えれば中国をはじめとしたアジアや他の地域と連携しなければ、日本人のお腹が満たされないのも事実。この事件を契機に、国内生産にシフトして機械化などで低コスト食料生産が出来れば一番良いのかもしれないけれど、それも直ぐには無理。あるいは、高いけれど品質・安全性は100%保証付きという事で"Made in Japan"ブランドとして逆に中国市場に打って出る、という作戦もあるかもしれない。実際、お米とか果物などはこういう方法で中国市場進出を目指しているように感じるし。ただ、日本の中で閉じれば解決するという問題ではない事は事実。

上流工程で改善しない限り問題は解決しないと言うことは、品質管理の王道、。今回問題の冷凍餃子を製造した中国の製造委託会社の問題と矮小化せずに、世界の食糧供給国として中国自身が国外に対しても国内に対しても、毅然とかつ正直に原因究明と対策を迅速に進めて欲しいですね。それは、日本のためだけじゃなくて自国・自国民のためでもあるわけだから。

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