2017年1月16日

豊洲の調査結果

最後に大どんでん返しが生まれた豊洲の9回目の調査結果。8回目で少し基準値を上回った場所が発見されたけれど、多分殆どの人はそれと同じか、地下水装置が動き出すので問題無い結果になると思っていたはず。ところが、桁違いの値が観測されたり、観測された場所の数も一気に増えて、関係者としては頭が痛いどころでは無く愕然としたんじゃ無いだろうか。

すでに専門家会議でも指摘されて居るように、仮に悪い方向に振れるとしても、今回の値はあまりに異常。さらに、これまで話題になっていたベンゼンだけではなく、シアンが観測されたりやヒ素まで基準値を超えて検出されて、一寸異常。今回は、検査機関がそれまでとは違うところを利用したと言うことなので、一つはその検査機関で何かミスがあったか、あるいは逆にこれまでに何か問題があり、今回初めて事実が明らかになったのか。いずれにしても、早急に再検査をして3月中には結果を公表するという事だけれど、地下水管理システムや市場全体の設備も含めた総合的な判断をするべきですね。ただ一般的な印象は、豊洲駄目・築地賛成、見たいな方向に流れていくんだろうなぁ。でも、築地の現状っていうのももっと情報が出てきて良いと思うけれど、そういうときには比較とかされないんですよね。いずれにしても、地下水をそのまま洗浄水とか飲料水にするわけでは無いので、それが市場内部に入らないようにしてあれば問題無いはず。それ以外の環境影響も遮断するために、今回閉鎖空間の市場を作ったはずですからね。その論点はちゃんと明示すべきじゃ無いだろうか。

あくまで個人的な推測ですが、小池都知事としては誤算だったんじゃ無いだろうか。立候補の公約の手前、何もせずに豊洲移転を言うわけに行かず、この検査結果で問題無いことを示して移転という筋書きを作っていたところに、こんな結果になり、振り上げた拳を何処に落とすか悩んでいるんじゃ無いだろうか。インタビューでは、都議選の争点になると早速論点ずらしを始めたけれど、これって都知事の政治判断でしょ。築地の今のリスクとそのまま利用した場合の将来のリスクの和と、豊洲を利用する場合のこれからのリスクのどちらが小さいのか、ということ。さらに言えば、築地・豊洲の場所は東京オリンピック・パラリンピックにも関連するわけで、その場合のリスクも合わせて検討しないといけない。そう言うものって、都民に選挙で一度聞いて済む話じゃ無いわけで、総合的に東京のグランドデザインの話な訳で、それを丸投げするのは結果的に小池氏が自分で解決する意思がないと思われても仕方ない。この人の政治姿勢を見ていると、決めるのではなく先延ばしや論点そらしで第三者に決めさせる・責任を負わせるスタイルが見えてきた気がしますねえ。

「東京都」という一自治体の話なのに、何故ここまでこだわるのか。それはやはり良くも悪くも日本の中心だし、日本を牽引する「エンジン」の役割を担うのが東京だからじゃ無いかなと思います。東京への一極集中は問題ではあるし、それによって地方が停滞・衰退していくのも事実だけれど、東京に牽引されて地方初のビジネスや産物が生まれる可能性もあるはず。厳しい言い方だけれど、地方も以前のような状態を維持していく余力はどんどん無くなるはずで、もっと効率化していかないと自然消滅する事は確実。その為には、東京を初めて、大阪、名古屋、福岡、札幌等の中核都市がもっと元気にならないと、その先も元気にならない。東京の場合は、それら中核都市のさらに源泉的存在なわけですからね。その東京が「決められない街」になってしまったら、本当に日本も終わりだろうなぁ。そうならないためにも、もう一寸「決める首長」を目指して欲しいのですが、逆にそれが過ぎるとうちの県知事みたいな「独断専行唯我独尊」になってしまうのも困りものだけれど。

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