2014年7月16日

IT化が進むテーマパーク

今回のOrlando旅行でなんと言っても一番印象に残っているのは、World Disney World (WDW)で見つけたMagicBand。これ、腕時計型のRFIDで、"My Disney Experience"というアプリと連携して使いますが、

  1. Disney Official Hotelのルームキー
  2. テーマパークへの入場券
  3. FastPass+(FP+)の利用
  4. Disney PhotoPass Service/Memory Maker
  5. WDW内で電子マネー(ホテルルームへのチャージ)

これ以外にも関連するサービスがあるかもしれませんが、この中で特に「面白い」と感心したのがMemory Maker。園内のあちこちにプロ(WDWスタッフ)のカメラマン・ウーマンがいて、この人達が写真撮影してくれるんですが、その時にMagicBandのRFIDを記録してくれて、撮影した写真データはCloudにアップされるので、自分のIDからそれらのデータにアクセス出来、気に入ればダウンロードも出来る。言われてみれば凄くシンプルなスキーム何だけど、WDWでの記念写真ということもあるし、極端な話自分でカメラを持ち歩かなくても思いでを記録できると言う点で、ちょっと凄いなと。さらに言えば、通常の記念写真サービスだと、その場でプリントされた写真を渡されたりして、取り扱いに困ったり、そこで「買う」という気持ちに一寸ならないことも。でも、撮るだけ撮って後から選べば良いという安心感が、逆に何枚も写真データがCloudに残るから、多分後から見たら「あ、これも、あれも、それも欲しい」という気持ちになり、購入動機は高くなるんじゃないだろうか。

もう一つ注目したのが、MagicBandを使った、テーマパークやアトラクションの入出状管理。人気アトラクションにはどうしても長蛇の列が出来て、それが満足度にも影響すると思うのですが、FP+を利用することで可能な限りスムースにアトラクション巡りが出来ます。それ以上に、WDW側にしても、顧客の動態データが得られるので、アトラクションの運用をより効率的に行うことが出来るんでしょうね。これにより、園内の混雑度緩和にも繋がるし、顧客の満足度もアップするだろうし。さらに言えば、極端な話一人一人・家族・グループでの嗜好や傾向も分析できるから、もしかしたらアトラクションの運用計画とか新しいアトラクションへのアイデアの元にもなるだろうし。

一般社会の中でも、例えばクレジットカードの履歴だとか、Suicaの利用履歴、あるいはビッグデータの解析等で、システムの効率化やビジネスチャンスの発掘みたいなことを進めていますが、如何せん母数が膨大なこととサンプルデータの精度の問題で「これ」というピンポイントデータってなかなか難しいと思います。でも、WDW内での作業なら、某数全体の傾向もある程度揃っているし、サンプリングも十分に出来ます。さらに、そういうデータ収集や利用についての抵抗感も少ないし、逆にFP+等のサービスを受けることで顧客のロイヤリティは逆にアップするだろうし。そしてリピーターのリピート率向上にも繋がるかもしれない。限定されていて、密度の濃いサンプル集団での試行として、これほど理想的な場所は無いんじゃ無いだろうか。

Disneyは「夢の国」と言われるけれど、その夢の背後でこんな最新技術を使った超現実的なシステムが動いているのは、凄く興味深いしDisneyという企業の凄さの一端を感じます。TDRにもそのうち導入されるんだろうけど、その時に何か日本的な味付けは可能なんだろうか。例えば、Suicaと連動するとか(笑)。

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