2014年6月1日

三年、三合、鮨泉水

飽きっぽい自分が、三年前の開店時から通うようになり、三年過ぎてもお気に入りのお店のトップの地位が変わらない、浜松の鮨の名店「鮨 泉水(すし せんすい)」。お鮨の味・品質は勿論、日本酒も工夫して取りそろえているので新しい発見もあり、「お鮨屋さん」と言うよりは、「高級居酒屋」みたいな贅沢な使い方が、自分的には定着してしまいました。そんなお客さんも多いようで、知らないうちにお任せの肴とお鮨のコースメニューなんかも出来ていたみたい。

流石に三年通うと自分の「飲み食いパターン」も確立されてきて、その日のお勧めの日本酒を気分によって一合ずつ三種類を順番に頂きます。最も、一番多いパターンは、最初は珍しいお酒とか知らない銘柄を試して、気に入れば次からの「飲みたいリスト」に入れるし、一寸好みに合わないなという時には早めに片付けて(飲み干して)、二合目に移ります。一合目が良ければ、二合目も知らない銘柄にチャレンジする事が多く、逆に一合目で一寸、と言う時は馴染みの銘柄に戻ってリセットする場合も。そして、最後の三合目は、大体は自分の一番のお気に入り「出羽桜」で締めることが多いのですが、これは一番馴染みのあるお酒で、どの程度の酔いなのか、舌の感じはどうなのか確認することも目的で、ここで「あぁ、酔っ払ってるな」という時は、この後お鮨を少なめにお願いして、倒れないうちに帰るようにするし、大丈夫そうならば、最後の肴を楽しみつつ、〆のお鮨に行くという、一種のバロメーター代わりになっています。

最初の頃は、最初にお刺身の盛り合わせをお願いして、その後単品物から適当に頼んでいたのですが、何度か通ううちに「お任せ」でお願いするようになったのも、お酒が三合パターンが定着したからかも。最初の頃はお刺身は盛り合わせで出してくれたのですが、暫くしてお鮨と同様に一品毎に出してくれるパターンに変更。何人かで来て話が弾むような場合にはちょっと困るかもしれないけれど、自分のように一人で黙って飲み食いするだけなら(笑)、かえってこちらの方式の方が楽に感じます。以前は、生もの以外では焼き物がほとんどでしたが、暫く前から自家製の「このわた」とか、生もの系でも「なめろう」とか、あるいは「あん肝」とか、楽しみなメニューは増えるけれど、お酒は三合までが限界なので嬉しい悩みになりつつあります。正直苦手な食材も結構あるんですが、ここで出されると何故か美味しくいただけるのが不思議。一寸ずつ沢山出して貰えるのも、自分の好みにあっていてゆったり出来ます。

ここのお鮨の一番の特徴は、「赤酢」を使ったご飯で握る事。私も、浜松ではここが初めてだったし、それ以前に都内で飲み食いしている時も、2~3件位でしかお目に掛かったことがありません。三年前は本当に珍しい印象でしたが、ここ最近のお鮨ブームのせいか、最近テレビで紹介されるお鮨屋さんでは、結構赤酢を使っているお店が増えたように感じます。正直、見た目は米酢を使う白い握りの上に寿司ネタが乗っている方が綺麗だと思うけれど、どうしても酢飯の印象が強くなるような感じがあります。赤酢を使うお店のお鮨だと、逆に一寸物足りなさを感じるくらいの「控えめ」の味で、それ故それで好き嫌いが分かれると思うけれど、乗っている寿司ネタが良い物であればあるほど、寿司飯は少し控えめくらいが良いんじゃ無いかと個人的には思います。散々飲み食いした後に食べるお鮨なので、普通は最後に四貫、少し食べられ時なら六貫と決まっているので、どうしてもいつも食べる寿司ネタは偏ってくるんですが、これも余所では食べない(食べられない?)、光り物は外せないし、赤身の付けも美味しいし、さらに最後の穴子は必須。一度お任せで、その日仕込んでいるネタを全て一通り食べてみたいなと思っているのですが、小食な自分にとっては結構ハードな仕事になりそう。それに、お鮨食べながらお酒を飲むというのも出来ないし。

いわゆる「(回らない)普通のお寿司屋さん」に行く場合と比べると、2~3倍位はお値段的には高いと思います。でも、都内のそれなりのお店で同じような物を飲み食いしたら、多分ここの倍近く出費する事は確実。だからというわけではありませんが、仕事で都内に出かけても、浜松まで戻ってきてここで飲む方が、懐的にも胃袋的にも気持ち的にも満足感はかなり違います。一つ困ったことは、ここで美味しい肴や魚を食べるようになり、余所で同じようなものを頼んでも味にしても内容にしても見劣りするように感じることになったこと。特に生物類に関しては、まず他のお店では食べなくなったことでしょうか。仕事などでストレスが溜まる事の多い最近、ここで飲み食べるのが唯一最高の発散方法になっているのが、嬉しい悩みなのかも。

0 件のコメント:

コメントを投稿